蝶の毒 華の鎖【R18】/クリア後キャラクター雑感諸々。

投稿日: カテゴリー: 商業ゲーム

かれこれ2週間くらい蝶毒と睨みあい、
主に真島と膝を突き合わせながら「お前何考えてるの」と穏やかに語りかける日々だったんですが
その度に「三郎、点火」を発動されて
キャラクター雑感は完全に真島でストップしてました。
脳筋と一途純情にとことん弱い私は斯波さんに一直線だったのだけど
それとはまた別ベクトルで真島ルートにも滾っていたのです。
何なの、何なの真島まじ真島……!!!!
多分、もう少し寝かせる方が良いだろうなと思いつつ
覚書程度でキャラクター雑感を上げてしまおう。
全力でネタバレです。
考慮も何もあったもんじゃありません(゚ω゚)
そしてすんごい長いです。
でも、蝶毒の魅力はネタバレしても色褪せないって、信じてるから……!!!


○藤田
出自:英国ハーフ 父親が英国人・母親は日本人
立場:執事
副業:ピアノ教師
経歴:ハーフが受け入れられない中、幼い頃にはその出自と見目で苛められていた経緯あり。
そんな中でも変わらず拾い上げ、家令にまで抜擢してくれた野宮全当主へ恩義を持ち、
崩れかけた家を維持させようと奔走する苦労人。

初っ端から父親に捨てられ、野宮家に来たら来たで今度は兄ちゃんに女性を取られ、
完全にこれ藤田トラウマポイントだよ。お兄ちゃんタラシ。
相手が主であり、恩義を感じている野宮の若様である限り正面きってどうこうできる訳もなく
出自から引っ張っている己の血も邪魔をして、非常に臆病な男性へ。
百合子さんの持つ表情の読めない藤田像は、その立場以上にこれまで私情を出す事が許されにくい環境で育ってきたことがあるのだろうな。
諦めもあるのかも知れないな。不憫だ藤田……。
藤田シナリオの素晴らしさは、この立場・出自・トラウマの三重苦から織り成された鉄壁の守りを
お嬢様がガッツガッツ壊していく様子にあると思うの!
またこの壊していくにあたっても、お嬢様も女の子なので、
何をしても無関心を装う藤田に怒りすら感じながら対峙するのが素晴らしかった。
煽って煽って着火させても、それすらもお互いに自覚をしているところも素晴らしい……!
この辺りのイベントに物凄く滾っていて、指の付け根が痺れるほどだったのを覚えてます。
思いを告げるにも何らか理由が無ければ出来ない臆病さ、藤田不憫すぎる。
甘いもの好きな藤田は可愛い。私も藤田からチョコ貰いたい。
家に帰ってきたらあの素敵な低音ボイスで「おかえりなさいませ」って言って欲しい。
そして何度でも真島のフンドシの色を聞いて、ドラマチックに床に突っ伏して泣かせたい。
うふふ冗談よ藤田。
で、お前の下着は何色なの?
○瑞人
出自:母方の伯父様が侍従の女の子に手を付け、野宮家に庶子として引き取られる。そのため主人公とは血の繋がりがない。ただその事を知っているのは主人公の父だけで、体裁上は主人公とは異母兄となっている。
立場:野宮家の放蕩息子。
副業:絵描き
経歴:
出自の通り、本来血の繋がりが殆ど無い野宮家に貰われてきた庶子。
元々は絵描きであったものの、父母の猛烈な反対の元に筆を折り、花街の貴公子デビュー。
その辺りで本来の己の出自を知り、さらに花街の貴公子っぷりに拍車がかかる。
女性に母親の愛情を求めて渡り歩きながら、妹として育ってきた主人公に並々ならぬ愛情を注ぐ髪フェチの人。

果たしてトラウマと言うべきなのか迷ったけれど、お兄様のポイントはやっぱり家族だと思うの。
ふわふわと根無し草のように振舞うアレコレは己の出自と己の居場所があまりに不安定だったからだろうなと。
そして心底惚れた相手は血の繋がりが無いとは言え妹で、願いが果たされるとも思えず、
さらに母から愛された記憶の薄さも手伝って花街の女性に温もりを求めてしまう。
猛烈な愛されたがりの人だなあ、そう思うと。
瑞人お兄ちゃんの愛し方はとても崇拝的。
汚い部分は主人公には一切見せず、ただただ美しく愛でているような印象です。
そのためなら身売りだってするぜ!
はじめ、おっさんに買われてるもんだと思ってた。兄ちゃん美人だからさ……。
そしてお兄ちゃんの素晴らしい点は、とてもとても巧妙に、主人公をほだしていくその様……!!
実は瑞人兄ちゃん、はじめてお会いした時に物凄いヤンの匂いを察知していて、
座敷牢あたりに隔離されるEDあるんじゃないかとgkbrしてました。
しかしその不安は杞憂に終わった様子。
だって兄ちゃんのED、大体屋敷が炎上してるんだもん。
野宮家は本当によく燃え上がりますね。燃えろーよー、燃えろー。
実際のトコどうだったのかというと、ヤンはヤンでも、自分の首にナイフ当てながら愛してると言うタイプだった。
まるで自分の命を人質にしているかと取れるような愛の囁き方だと思うんだ。
唯一の肉親だから側に居て欲しいのか、一人の男性として愛しているから側に居て欲しいのか、
そこら辺を実に巧妙に摩り替えさせる瑞人兄ちゃん。
瑞人兄ちゃんのシナリオを全面的に彩る倒錯感は、兄妹の禁断愛という要素だけではなくて、
兄ちゃんの愛の囁き方が非常に脅迫的に感じられるからだったのかな。
シナリオの雰囲気は、瑞人兄ちゃんシナリオが一番好みでした。
特に心中EDの美しさ。
○秀雄
出自:主人公の幼馴染の華族の人。
立場:幼馴染の軍人
副業:鳥研究
経歴:古くから続く主人公家に対して、戦争での功績によって爵位を得たタイプの家柄の持ち主。
それ故に主人公家との確執がある。陸軍に勤務中。主人公とは幼馴染としてよく遊んでいたらしい。

身分差なんて殆ど無かろうと言う二人ではあるものの、今度は家柄同士の格差が出てくるのが秀雄さん。
家柄同士の繋がりが色濃く出てくるシナリオでした。
主人公も家の関係で婚儀に悩み、秀雄さんも同じように悩まされている。
秀雄さんシナリオはとにかく、二人セットで見てるのが可愛くて可愛くて……!!!!
早く二人で幸せになる作業に戻るんだ!と心の中で叫びながらのプレイでした。
秀雄さんはツン優しい。
そして周囲を色濃い面々に固められ、私の中で印象が薄くなりがちな可哀相な人。
ケンカしながら想いを募らせる幼馴染カップルで、すごくおさまりが良いんだもの!!!
二人で幸せにキャッキャウフフしてたらいいんだよ!!
秀雄さんの場合、EDのデレっぷりが非常に可愛いのも印象深かったな。
そのデレを知っている分、バッドEDのもう自分でもどうしたら良いのか分からないレベルで混乱してるであろう秀雄さんが痛々しくて堪らない。
几帳面で潔癖症で一途だからこそ、早々に見切りをつけることも出来ず固執してしまう悲しさ。
○斯波
出自:遊女を母に持ち、父は知れず。幼い頃の火事で母を亡くし孤児へ。
立場:成金の求婚者
副業:学校と孤児院運営
経歴:孤児となった後は悪事に手を染めながら生きるも、幼い頃の主人公との出会いにより足を洗う。
そこから学を積み、援助を受けながら事業を立ち上げ、華族社会へ顔を広めるまでに出世を果たした努力の人。

すべての燃料が主人公起因なので、肝心の主人公から拒絶されるとしょんぼりしちゃう。
とにかく主人公。何はともあれ主人公。
斯波さんは全面的に滾ってたからもう何処がどうとか覚えてないよね!!
何かっつーと「どうだ!うまいか!」とドヤ顔してくるの可愛い。
どうだじゃないよ、お前が可愛いよくそっ!
斯波さんシナリオの素晴らしいところ……素晴らしいところ……。
ええとええと……。うまく浮かばない程度には、斯波さん可愛いです。
盲目過ぎて言葉にならない。考えるんじゃない、感じるんだ。
もう斯波さん可愛すぎだろ。努力の人過ぎだろ。
そりゃ何度でも電話かけるよ。
最近毎晩電話かけては「結婚しますか!」とわんわんおする斯波さん見てから寝てるよ。
思い出しながら列挙してみよう。
*ノブレス・オブリィジュ
この言葉が、斯波さんルートを見事に表しているように思う。
高貴に生まれついたものは他のものへ奉仕する義務がある、という言葉と百合子さんは語ってくれます。
トゥルーEDで聞ける言葉なんですが、
本当にこの場面のやり取り好き。大好き。
もうこの部分の一言一句から、色んな場面がブワァッしちゃうくらい好き。
象徴的な出来事として大きいのが、幼少期の出会い。
幼い百合子ちゃんと斯波少年の出会い!!
斯波少年のスチル見たかったよ!そこ超重要なのに!!!
斯波さんの人生がごろりと変わったイベント。
お金持ちに固執する斯波さんの片鱗をまざまざ見た気持ちです。
あんな真っ白なハンカチを、自分は使えないからという理由だけであっさりと渡すのは
ともすれば傲慢でもある。
けれどそれこそが、金があり、恵まれているということだったのだろうな。
与えるには、与えられる余剰分って言うのが必要だと思うのですよ。
それは物品面であり、精神面であり。
共有ではなく、与えること。
貸すのではなく、与えること。
(本人は洗って返すって言ってたけど)
それはとても当時の百合子ちゃんと斯波さんには象徴的な出来事に見えて堪らない。
斯波少年が何かを得ようとした時には、奪うか盗むしか知らずに、
逆に百合子ちゃんは与えられたものに対価が発生することすら知らない。
このポジションの真逆さは、真島シナリオと被る部分もあるけれど、
そこから180℃逆方向に向かって行ったなあ……真島・斯波の両名。
華族社会に顔を広めた地点で終わらずに、
自分が与えられたものを与える側に回る斯波さん格好良いというか、すごい。
このイベントで私が好きな点のもう一つは、斯波さんのお金へのスタンス。
会話のひとつひとつに、中の人がものすごく共感をしていて、印友△
己の体験からモノを言う斯波さんの、地に足がついた感覚が好きです。
学ぶこと、財があること、それらは結果にはすぐ結びつかずとも選択肢は増える。
選び取れるものがあることを、知ることが出来る。
知識は、いざという時に自分を守り、大事な人やモノを守ることが出来るよ。
私はそう思ってる。
さらりと、一念発起をして真っ当な道を進もうとしてからの方が大変だったといわせる辺りが本当に素晴らしい。
魔法みたいに、姫様に出会って突然頭が良くなってゼロから事業が出来た訳じゃないんだよな。
ただただひたすら泥臭い努力の積み重ねでここに居るんだろうな。
それらの経験や生まれを無かった事にもせず、自分の性格まで変えるような事もせず、
猛烈な自信として消化してしまう逞しさときたら。
もはや憧れであるなあ。私が斯波さんに抱いているのは。
単なる盲信ですね、ありがとうございました。
そして最後の最後、百合子さんから尊敬の一言!
それまでのやり取りの流れは大体「この成金野郎!」だったので、
この一言は本当に、今までの何もかもが全て報われると目頭熱くしていました。
不憫純情の斯波さんがもっとも輝くバッドED『後悔』は、
グレオニー殺害が好きな方にはオススメできる感じだと思います。
豪快に涙腺崩壊しましたけど、二度目の衝撃に耐えられる自信が無くて完全に封印しました。
CG集ですら見るのが辛いレベルです。
見た直後は、斯波さん感想サイトさんを巡って
「公式サイトはこっちだよ☆」と誘導してる斯波さんバナーですら泣く有様でした。
愛情ルートから攻めるからKONOZAMAですよ。ハハッ。
しかし10年余の片思いをぶつけてきて、「小高い丘に住む百合子」という情報から
所在まで突き止める斯波さんのパーフェクトストーカーぶりよ。

金と顔があるからこそ出来た所業。イケメンは正義ですね。
それにしても斯波さんはイケメンである。
○真島
出自:主人公母と実兄の間に生まれ、養父母は死去。
立場:庭師
副業:阿片王
経歴:実の兄妹の間に生まれ、養父母が主人公の父によって惨殺。
その後悪事の間を縫うように生き、主人公家への復讐の炎を燃やしながら庭師として潜入し、機会を待つ。

<主人公の幸せは全力でぶっ潰す方!真島です!!
真島さんは斯波さんと対照的にトラウマポイントが多すぎるんだよ。
兄妹の愛をひた走る瑞人兄ちゃんもトラウマポイントだし、
主人公から愛情向けられてもそれはそれで己の出生でトラウマポイントだし、
斯波さんと幸福になろうものなら全力阻止する程度にはトラウマポイントだし。
何しても真島る(マジマ-る 動詞:屋敷へ放火すること、もしくは実妹へ銃口を向けること/例文:姫様、さきほど屋敷が真島られました)
それにしても、なんつーボーナスポジションに居るんだお前……!!!
トゥルーEDが全部真島に収束していって私は戦慄したよ。
面バレしすぎじゃないか阿片王、大丈夫なのか阿片王。
しかし、この流れで真島に心揺さぶられない乙女など居るのか?
こんだけ\斯波さんは札束可愛い!/を繰り返している私ですら陥落しかけたんだよ。
真島恐ろしい子……!!
でもこれ、萌えかと言われると、そうでもないような気がする。
何かもっとこう、迫り来るようなモノがあるんだ。
とにかく真島シナリオの面白さが、蝶毒の面白さに直結してる。
真島ルートを終了してからの各シナリオの輝き方は異常だよ……。
一体真島ルートのこの輝きは何なのかと悶々と考え込んでたんですが
真島愛のグレイにskypeお付き合いして貰いました(*´∀`)
真島EDで一番好きなのは「おかしな姫様」。
それなりに幸せに暮らして死人が出ていないトゥルーEDよりも、こっちの方がグワッときました。
これ何でなんだろうと思いながら話をしていたのですが、
真島、ものすごく独白の人なんだ、ということ。
このEDでは、主人公との血の繋がりも明かして、屋敷に来ていた理由も明かし、
周囲の人間をことごとく消し去り、すでに廃人となった主人公にそれでもなお愛を囁く真島が見られます。
他のEDだと、血縁を隠したまま愛を囁くEDか、血縁を明かしたけれど愛は囁かないEDかな。
おかしな姫様だけは、両方が揃ってる。
これも、何と言うか、プレイヤー視点と真島視点では少し異なっていて、
見てる限りでは姫様、完全な廃人になっているようには見えない。ギリギリのラインで…!!
これがまた素晴らしいのだけど、このギリギリの仄めかしがあるから余計に辛い。
また真島が愛を囁けたのは、姫様がすでに何も分かっていないと思っているからだろうな。
相手がその意味を分からないから言えるこれは、告白ではなくて、もはや独白。
真島シナリオの妙な迫力は、ひとえにこの真島の持つ『独白癖』のせいなんじゃないかな。
憎悪を吐露するのも、愛を囁くのも、すべてすべて独白。
未だに私の中で色々と燻っているので単なる吐き出しです。
大体真島、属性が多すぎるんだよ。
肩書きがこんな感じで、
・近親相姦子
・阿片王
・庭師
・実兄
持ってる感情がこんな感じで、
・対主人公
  └憎悪
  └女性としての恋慕
  └妹としての思慕
・対野宮家
  └憎悪
・対自分
  └嫌悪
何かもう……そりゃ私も混乱するよね。何だこの混沌とした感情図は……。
坊主憎けりゃ袈裟までに憎い。全人類阿片に浸かれば良い。
これが全部彼一人の中に詰まってるのに、明かされるものはそれぞれのルートで断片的でしかない。
それでも確かに全てを抱えていることは、全ルートを網羅した後でなら分かるんだ。
今ようやっと固まってきたのは、やっぱり蝶毒は真島ゲーだった。副題は~まじ真島~だ。
本人の素性やポジションは誰かのルート1周でもすれば大体分かってしまうほど
面バレしてるバレバレ阿片王なのに、
どこまでも面白くさせてくれるのは、全部を明かさないからなのだろうな。
この箇所が、まさに蝶毒というゲームの面白さそのもののような気がしてるんだ。
蝶毒を面白いと思えば思うほど、真島シナリオの迫力に圧されてしまう。
ゲームそのもののメタファーと言って良いのかも知れません。
ご紹介でも書いた『周回するごとに面白い』という蝶毒に一番感じている魅力は
個々が環境以上に深く抱えている複雑な感情を徐々に紐解き、知っていく面白さであり、
そしてその感情をプレイヤーに見せた上で、同じシナリオを何度も繰り返させる展開の巧みさ。
この要素を一キャラクターに詰め込んで出来上がったのが、真島のような気がする。
断片は一ルートでは揃いきらなくて、周回をして初めて出来上がる真島像。
各キャラクターの断片を寄せ集めながら、出来上がっていく蝶毒の全容。
うーん。何かまだしっくり来ない感じがするけれど、
とりあえず覚書という状態で残しておきます。
それくらい私に猛烈ヒットかましてくれた蝶毒。まじ真島。

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